箱モノ建築は官僚のよくやる手

先ほどニュースとかで見たりしましたが、現在国会で提案して審議されている本年度の補正予算ですが、その中に文化庁が予算計上して認定された、アニメ、漫画、ゲーム、映画等の作品を展示したり文化発信するための美術館等の役割を持つ「国立メディア芸術総合センター」(仮称)を新設する為の予算(土地取得等)約117億円が入っているそうです。
アニメや漫画、ゲームといった日本が最先端を行く分野の文化発展や情報発信を集約して行う施設は必要かもしれないが、でもちょっとまて、「国立メディア芸術総合センター」(仮称)はお台場に設置を目指すという事らしいが、作られたとして誰が見に行くのか?施設では「アニメなどの映像作品を鑑賞したり、マンガを読んだり、ゲームを体験したりできる。」らしいが、これって国営で漫画喫茶やインターネットカフェをやるという事になるんかいな?それをやるんだったら、違う事にお金を使ってほしいと思う。だって昔ながらの官僚的箱モノ施設を作るという方策であるから。実際この案も建物の所有権は文化庁文化庁系の独立行政法人国立美術館が所有し、運営は民間に委託して運営する方向で検討しているそうです。かんぽ問題で突かれない様に運営を民間にっていう事だけど、
土地取得+建設費+施設展示設備開発及び設置費用をペイ出来る程の入場を見込めるのだろうか?30年経ってもペイは出来ない気がするのは私だけか。
もし本当に力入れてやりたいのであったら、どこかの再開発プロジェクトに潜り込んで、建てられるビルの5〜10フロアを買い取る方が安く「センター」を開設できそうな気がするけどなぁ。今だともうテナントが決まっちゃってると思うが、旧日本通運秋葉原ビルのあった土地で再開発中で建てられているビルに入り込めば、場所柄アニメ、漫画、ゲームの文化・情報の発信や振興にも最適だと思うけどなぁ。

つーか、今回の計上額117億ですが、完成までに掛かる費用は最終的に300〜500億位までいくのではないでしょうか(下手するとそれ以上掛かる場合がある、それは次の報道発表からの抜粋、「建設通信新聞によれば、平成21年度補正予算案に土地購入費、建物整備費117億円が計上される予定であるという。しかし、建設候補地、施設規模などは未定、早期に概要をまとめて2、3年後の開館を目指すとしている。」との事なのですが、時事通信が報道する所だと「交通の便がよい東京都心に施設を建てる方針で、お台場が候補地」、「11年度の完成を目指す。」、「有識者による検討会が今回まとめた構想では、延べ床面積約1万平方メートルの4−5階建てとなる見通し。館内にスクリーンを備え、常設・企画展示などを行う。将来を担う人材を育成するため公開講座も実施するという。」、「運営は独立行政法人国立美術館が外部に委託する。年1億5000万円程度の入場料を見込むほか、企業の協賛金、関連グッズ販売、イベント会場としての使用料で運営費用を賄う予定。」との事。また朝日新聞は「アニメやマンガ、ゲームに関する作品や情報の収集・保存を行う。海外へのショーケース的な役割もになう考えで、日本文化に関心を持つ外国人に「最先端の日本文化に触れられる場」としてアピールする。」と報道している。(これらの報道記事は下記にリンクしておきます。) これらを整理すると1フロアーで約2000〜2500平方メートルの床面積の施設が出来るという事である、それ以外に施設を含む敷地の面積はこれ以上だと思われます。またテレビのニュースでは施設の概要図が映ってましたが、上層階は吹き抜け構造の様なので施設を含む敷地面積はそれなりに広い(約3500〜5000平方メートル)のかもしれません。しかも候補地のお台場の地代も考えると、さていったいいくら掛かるのやら…。)。

こんなにお金を掛けるんだったら、業界の振興や業界で働く低賃金で働いている従事者の生活支援や制作会社へ回る製作費を増やす等のサポートなどにお金を使ってほしいものだ。某総理が漫画好きという事でアニメや漫画が話題になる事が増えましたが、現状では映画以外はジリ貧状態ではないでしょうか?(映画は最近の邦画の好調で映画業界はやや明るい状況。ゲーム業界は本体の性能向上で制作費の高騰や売上の減少が不の要因、DSとかの携帯機の普及におけるライトユーザーの増加はプラスだが、それがコアユーザーへの移行は少ない事。漫画業界は漫画が連載される漫画雑誌の売り上げが激減しており、廃刊する雑誌が出たり(ヤングサンデーとか)したが、これ以上漫画雑誌の売り上げが減ると業界の規模が縮小され新たな人材が出る枠が少なくなるといった弊害が出ると思われる。アニメ業界は放送本数は多いが、制作費用が低い・制作日数が短い為、制作の外注で国外の制作会社に丸投げが増えている事による空洞化が問題になっている事と、国内の制作者の低賃金によるアニメ業界の疲弊が問題だと思う。このままだと国内アニメ制作会社による技術指導によって成長してきている海外勢に抜かれる事になるかもしれない。海外でジャパニメーションと言われているが、このままいけばそれすら危ういかもしれない程、国内で放送されている作品の多くに海外の下請けの手がなければ完成しなかった作品は多いのである。)



さて、結局何を言いたいかと言うと、無駄遣いは止めて困っている部分に有効的に使ってほしいという事である。
振興するとかはいいんだけどね。


記事りんく
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009042801059
http://www.asahi.com/culture/update/0409/TKY200904090145.html
http://animeanime.jp/biz/archives/2009/04/117_3.html