いろいろと…。

1月29日に北海道の老舗百貨店である丸井今井民事再生法の適用を申請し、事実上の経営破綻をしたと思ってたら…。

西武、道内2百貨店撤退検討 札幌と旭川
 西武百貨店を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスは、札幌西武と旭川西武の道内2百貨店の運営から撤退する検討を始めた。両店とも長引く個人消費の低迷で苦戦が続いていた。道内では丸井今井が1月29日、民事再生法の適用を申請したばかり。昨秋以降の景気後退が道内百貨店を直撃し、地方では中心市街地の空洞化も懸念される。

 札幌西武は1906年に百貨店となった五番舘が前身。店舗面積は約2万5000平方メートル、従業員はパートを含め約200人。西武館とロフト館の2館体制で、ロフトや無印良品紀伊国屋書店などが入居する。

 20―40歳代の働く女性を主要顧客としていたが2008年の売上高は、JR札幌駅ビル開業前の02年に比べ半減。「『駅前』と『駅ビル』は決定的に集客力が違う」(道内百貨店幹部)ことで、顧客層の重なる大丸やステラプレイスに客足を奪われた。

日本経済新聞

西武百貨店の北海道からの撤退検討報道が出ました。
北海道以外の話では、そごう・西武百貨店の運営会社を一本化(統合)とか、大阪のそごう心斎橋本店を大丸へ売却交渉とか、
西武仙台出店中止とか、店舗改装一部延期とか、現在の景気減速に対応する為、いろいろな経費削減をしていますが、
百貨店業界の年間売上高が、コンビニに追い抜かれたという事で、来年度は通販業界に追い越されるとも言われているそうです。
売上が減少する状況で各社は色々な対応をする訳ですが、西武の2百貨店撤退検討も一つの対応のひとつなんでしょう。


ですが、もしこの2つの百貨店会社が無くなったら、札幌以外の北海道の地方都市での大手百貨店が全て無くなる事になるのです。
現在は、道北の主要都市の旭川は、丸井今井旭川店と西武百貨店旭川店A館・B館
道南の主要都市の函館は、丸井今井函館店と丸井今井函館店の目の前にあるダイエー系のグルメシティ五稜郭店(百貨店ではなく総合GMSで、今年5月末に閉店予定)が五稜郭地区に、棒二森屋(ダイエー系で正式名称「中合 棒二森屋店」)が函館駅前地区に。
それ以外だと、室蘭市丸井今井室蘭店(自主再建時に2010年に存廃を決定予定だった。)
帯広に藤丸百貨店(北海道の地場百貨店としては丸井今井以外では北海道唯一の百貨店業態の会社 *1)のみです。
(*1 札幌の「丸ヨ池内」は百貨店の業界団体である日本百貨店協会に加盟しているが、独自(直営)の売り場は殆どなく、ほぼ全てのフロアはテナントである為、除外しました。また北道北地区の名寄や宗谷地区の稚内で展開している「西條」は百貨店法による百貨店登録をしてますが、日本百貨店協会に加盟していないので、これも除外しました。)


閉店した地域
釧路・苫小牧・小樽は、丸井今井が自主再建決定後に撤退(閉店)
北見は、東急系のきたみ東急百貨店が2007年に撤退(閉店)

今年の1月中旬に閉店した札幌すすきの地区にあったロビンソン百貨店札幌店は西武百貨店等のミレニアムリテイリンググループではないですが、グループの親会社であるセブン&アイ・ホールディングスのグループ会社であった。

閉店後、地下1・2階にイトーヨーカドーがすすきの店として3月に出店。1階はセブン&アイ・ホールディングスと提携した調剤薬局大手のアインファーマシーズが展開するコスメとドラッグのセレクトショップ「アインズ&トルペ」を2月に出店だそうです。

今回の西武札幌・旭川店撤退検討も、ロビンソン百貨店札幌店の時の様なパターン(業態転換)だと思われます。
百貨店の撤退後に、専門店やセブン&アイ・ホールディングスのグループ店(イトーヨーカドー等)を入れて専門店ビル化するとかの手法を検討(模索)しているものと思われます。

旭川の場合、旭川に存在する百貨店は丸井今井と西武の2店舗だけなので、
丸井今井旭川店撤退(閉店)の場合、西武旭川店存続。
西武旭川店撤退→業態転換の場合、丸井今井旭川店存続もありえるのですが、
最悪は両方撤退という事なんですが、最悪だけは避けてほしいものです。


旭川羽田線の一部 新千歳経由に変更 スカイマーク

スカイマーク(東京)は三十日、旭川羽田線の一部を、四月から新千歳経由に路線変更することを決めた。“ドル箱”の新千歳−羽田線の利用客も取り込むことで、搭乗率アップを目指す。

 旭川羽田線は現在一日二往復。このうち午前の旭川発と午後の羽田発の一往復分を新千歳経由にする。到着までの時間は直行便(約一時間四十五分)より約一時間長くなる。

 旭川−新千歳間の運賃も数千円に設定する。旭川−羽田間の搭乗率は平均55%程度だが、新ルートの開設により10−15%程度アップさせたい考えだ。
北海道新聞より

ドル箱の新千歳便の利用客を取り込めるかもしれないが、
新千歳経由になっている旭川便は、東京行の9時35分発(新千歳10時05分着・10時40分発、羽田着12時15分着で所要時間2時間50分)と旭川着17時10分(羽田発14時35分発、新千歳16時05分着・16時40分発で所要時間2時間45分)となっているが、こんな利便性の悪いの誰が乗るだろうか。
いくら安いとはいえども、ビジネスマン向けではなく時間に余裕のある人向けである。
時間を取るか、安さを取るかで、選択する人が出そうだが、
事前購入割引運賃(搭乗28日前購入割引とか)を利用する人であれば、値段はスカイマークに優位な価格ではないと思う。
スカイマークの前割21で、10500〜12500円(スカイフレックスは最安で7800円)。エア・ドゥのDOバリュー28で、11500〜12500
ANAの旅割で、12900〜17900円。JALの先得割引で、12800〜17900円。(ともに4月4・5日の土日の料金より)
スカイフレックスは販売形態が違うので除外するが、これらの事前購入割引の価格を比べても(大手の最高値は除く)
最安値での差は1000〜2400円程である。
しかも記事の「新ルートの開設により10−15%程度アップさせたい考え」は新千歳からの利用客での水かさ増しであって、
実質の東京〜旭川や新千歳〜旭川の搭乗率は格段に落ちると思われるのですが…。スカイマークの首脳陣は分かっているんだろうか?
多分上層部ではこんなやり取りがあったのかもしれない(笑)
A「旭川線の搭乗率をどう上げようか?」
B「…」
A「だったら搭乗率高い新千歳に寄って客乗せればいいんじゃね?」
B「えっ?そんな近距離では時間が掛かって…」
A「(自分の考えに酔いつつ)うんうん、いい考えだよなぁ。そうしよう。すぐに手配しろ!!」
B「……。わかりました。」
こんな風に決まってたらいやだよなぁ(笑)

新千歳経由になったのも、なんで新千歳から近距離の旭川なんだか…。
北海道の他の就航地が旭川しかないのもあるかもしれないが、
新千歳経由でやるならば、本来女満別とか、稚内とかの便でやる話であって、
離陸したら15分程度で着陸する路線にだれが乗るのだろう。
しかも、札幌〜旭川間はJRという競合があるのに。ちなみに新千歳〜旭川の大人料金は4800円である。
スカイマークの4月の搭乗率速報が、ある意味楽しみではある。